この研究結果は今年5月初旬にシンガポールで開催された学会「ACC Asia 2025」で発表されたが、リウはプレスリリースに次の文章を添えている。「医師などの専門家は、超加工食品には一般的に糖分、ナトリウム、有害な脂質が多く含まれる一方で、食物繊維、必須ビタミン、その他疾病予防に役立つ栄養素が少ししか含まれていない事実を人々に明確に伝えるべきだ。このような偏った栄養構成が、さまざまな健康被害を引き起こす要因となっている。また、近年の新たな科学的知見が示しているのは、超加工食品と健康被害の間の『用量反応関係』だ。これはつまり、超加工食品を食べれば食べるほど、健康リスクが増大することを意味する。したがって超加工食品の摂取量を少しでも減らすことで、目に見える健康効果が得られる可能性がある」
2025年5月7日、Neurology(ニューロロジー)誌に発表された別の研究では、ホットドッグ、クッキー、シリアルなどの超加工食品を多く食べる人は、超加工食品の摂取を控え目にしている人に比べ、パーキンソン病の初期症状が現れるリスクが高いことが明らかになった。
「(パーキンソン病など)神経変性疾患のリスクを低下させるには、日々の健康的な食生活が重要だ。『今日何を食べるか』が将来の脳の健康に大きな影響を与える可能性がある」と、同研究を行った中国・上海の復旦大学栄養研究所所長、ガオ・シャンはプレスリリースに記している。「近年、食事とパーキンソン病発症の関連性を示すエビデンスが出てきている。私たちの研究でも、甘い炭酸飲料やスナック菓子のような加工食品の過剰摂取が、パーキンソン病を早期に発症させる可能性が示されている」