健康の促進と生産性の向上を支援する米Thrive Global(スライブ・グローバル)の創業者でCEOのアリアナ・ハフィントンは、十分な睡眠をとることはより実りの多い、刺激的で楽しい生活を送るための方法だと述べている。
確かにハフィントンの言うとおり、良質の睡眠をとることは脳のパフォーマンスを向上させ、気分を高め、健康状態を良くすることが証明されている。睡眠は私たちの身体的、精神的、情緒的な健康において、重要な役割を担っている。
だが、過去の調査結果から、平均的な1晩の睡眠時間が(推奨される)7時間に満たない成人は、3分の1以上にのぼることがわかっている。また、不眠症の症状を経験したことがある人は、3分の2に近いという。
睡眠不足が公衆衛生上の問題としてますます懸念されるようになる中、より健康的な睡眠、最適な睡眠のためのハック(解決策)を探し求め、そのトレンドを追う人も増加している。そうした睡眠のためのハックの中で、インターネット上で関心を集めているのが、「sleepmaxxing(スリープマキシング、睡眠を最長・最良にすること)」だ。
「スリープマキシング」とは?
SNS、特にTik Tokで人気を集めたスリープマキシングは、ウェイテッド(加重)ブランケットを使うことからアラームを使わないことまで、十分な睡眠時間と睡眠の質の向上を実現するため、さまざまなテクニックやハックを同時に取り入れること。
ただ、それらの方法の中には、根拠があるものも疑わしいものもある。スリープマキシングを実践するときに重要なのは、バランスのとれた視点を失わないこと、必要な場合には専門家のアドバイスを求めることだ。また、より良い睡眠習慣を確立するためには、それなりの「投資」も必要になる。
どう実践する?
ハーバード大学医学大学院が健康関連の情報を提供する「Harvard Healt Publishing(ハーバード・ヘルス・パブリッシング)」によると、睡眠を「マキシング」するために推奨されている方法には、以下のようなものがある(ただ、紹介されているSNSによって実践方法が異なるため、わかりにくい点もあるかもしれない)。
・寝室の室温を低くする
・翌朝の起床のためのアラームを設定しない
・毎日30分、瞑想する
・就寝前にキウイを食べる
・入浴・シャワーは就寝の1時間前にする
・毎日30分、日光を浴びる
・就寝前にカフェイン、アルコールをとらない
・マグネシウムとメラトニンのサプリメントをとる
・最も深い眠りのために、寝室を暗く、静かにする
・鼻拡張器で鼻孔を広げる
・就寝2時間前から水分をとらない
・ブルーライトへの曝露を減らすため、就寝前はデジタルデバイスの使用を控える
・メラトニンの生成を促すとされるレッドライト(赤色光)セラピーを取り入れる
・鼻呼吸を促すため、(専用の)テープを貼って口を閉じる
・加重ブランケット、ホワイトノイズマシン、アイマスクなどを使用する