1日のうちで、楽に感じる時間帯と、そうでない時間帯がなぜあるのか、不思議に思ったことはないだろうか。なぜ午前中は頭が冴えているのに、昼食後はメール1通を読むのも一苦労に感じるのだろうか。その答えは、サーカディアン(概日)リズムにある。
サーカディアンリズムとは、エネルギーレベルや注意力、認知機能を1日を通して調節している体内時計のことだ。エネルギーレベルが1日を通して変動するように、異なる活動には、異なる種類のエネルギーが必要となる。重要なのは、それぞれの活動をこなすのに最も適した時間帯を見つけることだ。
筆者の著書『Timebox: Time Management Strategies to Balance Productivity and Wellbeing(タイムボックス:生産性とウェルビーイングのバランスを取るためのタイムマネジメント戦略)』(未邦訳)では、スケジュールを自然な体内リズムに合わせることは、健康に良いだけでなく、生産性とウェルビーイングを劇的に改善することを解説している。自分の脳と体が実際に機能しているリズムに合わせて、さまざまな種類のタスクに取り組むのに最適な時間帯を探ってみよう。
午前中:複雑なタスクや、意志力が必要なタスクに最適
脳が最も冴えているのは、午前中、特に起床後の数時間であり、この時間帯こそが「パワータイム」だ。すなわち、計画を立て、文章を書き、意思決定を下し、何かを学ぶといった、深い集中力や戦略的思考、意志の力を要するタスクに最も適している時間帯だ。
こうした朝の時間は、最も重要な目標の達成に使おう。メールは後回しだ。意志の力が最大レベルに発揮される時間帯なので、自己規律が必要なタスクに集中しよう。
早朝または午後遅く:体を動かすのに最適
身体的に最高のパフォーマンスを発揮できるのは、頭が冴えている朝早くか、体が温まってほぐれている午後遅く(夕食前)の時間帯だ。ワークアウトの予定は早朝、理想的には午前5~7時、あるいは、夕食前の午後5~7時ごろに組み込もう。
スケジュールが詰まっていて、ワークアウトに連続1時間を割くことが難しい場合は、10~15分ずつに小分けした運動でも、疲労を軽減し、エネルギーを向上させ、集中力を高める効果があることが、グーグルおよび傘下のFitbit(フィットビット)の調査で示されている。