新規事業

2025.06.02 08:15

宇宙旅行は儲かる、スペースデータが描く次世代宇宙ビジネス

プレスリリースより

プレスリリースより

衛星データから地上の風景をAIで忠実に再現するデジタルツイン技術や国際宇宙ステーション向けの作業支援ロボット技術などの開発提供を行ってきたスペースデータは、現実の宇宙ステーション建設や宇宙旅行事業にも力を入れている。複数の引き合いがあるなか、このたび具体的な案件が成立し、これを機にプライベート宇宙ステーションと宇宙旅行の正式な事業展開を決めた。

2030年の国際宇宙ステーション退役にともない、NASAは「商用地球低軌道開発」(CLD)プログラムを立ち上げ、民間企業によるプライベート宇宙ステーションの設計や開発を支援している。それを受けて、アメリカを中心に多くの企業が宇宙ステーション事業に乗り出しているが、「サービス提供や収益化のためのビジネスモデルはまだ確立されていないのが現状」とのこと。

そこでスペースデータは、「日本のサービス産業が培ってきた高品質なホスピタリティ、安全管理、ロボティクス、エンタメコンテンツ、ヘルスケア分野の知見を宇宙環境に応用し、宇宙ステーションおよび宇宙旅行に多様な付加価値を提供」することで収益化をはかるということだ。また、宇宙ステーションへの行き帰りの輸送、宇宙ステーションのロボットによる最適な保守管理などのサービスも提供していく予定だ。

宇宙ステーションは民間の手に移りつつある。これは宇宙産業が新たなフェーズに移行する「大きなパラダイムシフトを象徴する」ものだとスペースデータは話す。同社はさらに、プライベート宇宙ステーションを宇宙コロニーに発展させる計画も立てている。

スペースデータは、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在した前澤友作氏の前澤ファンドから資金調達を行っている。また、宇宙飛行士の山崎直子氏がアドバイザーを務めている。民間企業によるロケットの打ち上げ頻度が高まり、宇宙が身近になった現在、プライベート宇宙ステーションは夢の話ではなく、現実の事業の話となった。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事