北米

2025.05.28 14:00

慈善活動「ギビング・プレッジ」に新規で11人参加、Dropbox共同創業者も

「ギビング・プレッジ」に新たに署名した、Canvaの共同創業者で最高プロダクト責任者のキャメロン・アダムズ(Photo by Katie Jones/Variety via Getty Images)

「ギビング・プレッジ」に新たに署名した、Canvaの共同創業者で最高プロダクト責任者のキャメロン・アダムズ(Photo by Katie Jones/Variety via Getty Images)

世界のビリオネアが資産の大半を寄付することを誓約する取り組みの「ギビング・プレッジ」は5月27日、新たに11人の署名者を迎えたと発表した。この規模の新規参加は、2021年以降で最大とされる。新たな署名者のうち9人は米国出身で、1人がオーストラリア、もう1人がアラブ首長国連邦の出身だ。

新メンバーのうちの6人はフォーブスの世界の富豪リストに名を連ねており、その保有資産の合計は93億ドル(約1兆3392億円。1ドル=144円換算)と推定されている。

この中で最も多額の資産を持つのはオーストラリアのキャメロン・アダムズで、保有資産は29億ドル(約4176億円)とされている。彼はデザインソフトの新興企業Canva(キャンバ)の共同創業者兼最高プロダクト責任者を務めており、妻のリサ・ミラーとともに署名を行った。ふたりは、共同で立ち上げた「ウェッジテイル財団」を通じて生物の多様性の保全と再生にも取り組んでいる。

キャンバの共同創業者兼CEOのメラニー・パーキンスとその夫で最高執行責任者(COO)のクリフ・オブレヒトらも、これに先立ち2021年に署名を行っていた。

新たな署名者の中で2番目に裕福なのは、ファイル共有サービスDropbox(ドロップボックス)の共同創業者兼CEOのドリュー・ヒューストン(推定保有資産21億ドル[約3024億円])だ。妻のエリンとともにプレッジに参加した。

そのほかの署名者には、2018年にフランスのIT大手Atos(アトス)に買収されたSyntel(シンテル)創業者のバーラット・デサイ(同16億ドル[約2304億円])と、その妻で共同創業者のニールジャ・セティ(同10億ドル[約1440億円])、フィンテック企業Block(ブロック)の共同創業者のジム・マッケルビー(同16億ドル[約2304億円])の夫妻、ライフサイエンス系のベンチャーキャピタルFlagship Pioneering(フラッグシップパイオニアリング)の創業者兼CEOのヌーバー・アフェヤン(同12億ドル[約1728億円])の夫妻らが含まれている。

また、アラブ首長国連邦の女性実業家ムナ・イーサ・アル・グルグ、投資顧問会社コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークの創業者兼会長ジョセフ・ディーチ、ベンチャーキャピタリストのジェイ・ホーグと妻のミカエラらも新規で署名した。

ビル・ゲイツ、メリンダ・フレンチ・ゲイツ、ウォーレン・バフェットらが創設

ギビング・プレッジは、2010年にマイクロソフト創業者のビル・ゲイツと元妻のメリンダ・フレンチ・ゲイツ、著名投資家のウォーレン・バフェットらが開始した取り組みで、世界が直面する差し迫った問題の解決に資金を充てることを目的としている。

当初は40人の米国人の慈善活動家から始まったギビング・プレッジは、これまでに210人以上の世界の富豪の署名を集めている。メンバーの中には、イーロン・マスク(同4300億ドル[約61.9兆円])やマーク・ザッカーバーグ(同2210億ドル[約31.8兆円])らが含まれる。

この取り組みは、寄付の誓約であって契約ではないため、ギビング・プレッジ主催者は富豪たちの寄付の監査を行わない。また2023年に亡くなった、免税店チェーン「デューティー・フリー・ショッパーズ(DFS)」共同創業者のチャールズ・フィーニーのように、資産の半分をはるかに上回る額を寄付したビリオネアもいる。このような署名後に亡くなった富豪を含め、多くの署名者が実際に約束を果たしたかどうかは明らかにされていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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