イーロン・マスクは米国時間5月24日、Xのアプリおよびデスクトップ版ウェブサイトで多数の問題が発生したことを受けて、同プラットフォームには「大規模な運用改善」が必要だと述べた。これは、Xが週前半のデータセンター障害の影響をまだ受けていると発表した後に起きたサービス停止だ。
障害監視サイトDownDetector.comでは、米東部夏時間日午前9時(日本時間5月24日22時)に障害報告が急増し、約2万6000件に達したあと、米東部夏時間午前9時13分には2万2729件まで減少した。
つい最近、ドナルド・トランプ大統領の顧問として費やす時間を減らすと述べていたマスクは、障害への対応に関する投稿で「Xには大規模な運用改善が必要だ」と述べるとともに、「X/xAIとテスラに超集中する必要がある」と付け加えた。
問題は米東部夏時間5月24日の正午12時頃(日本時間5月25日午前1時)までにほぼ解決したとみられ、障害報告数は約500件にまで減少した。
米国時間5月24日朝に報告された不具合の約4分の3はXアプリで発生しており、残り23%はデスクトップ版ウェブサイトに関するものだった。
Xのエンジニアリングチームは米国時間5月23日の夕方の時点で、米国時間5月22日に起きたデータセンター障害が依然として影響を及ぼしており、一部ユーザーではログインや新規登録が行えない状態だとの声明を発表していた。
Xの開発者プラットフォームも「Xでのログインや、その他Xプラットフォーム上のログイン処理がパフォーマンス低下に見舞われている」と説明していた。
「また24時間ずっと職場にいて、会議室やサーバールーム、工場の部屋に寝泊まりする生活に戻りました」とマスクは述べた。「私はX/xAIとテスラ(そして来週のスターシップ打ち上げ)に集中しなければなりません。重要な技術をリリースしているからです。今週のXの稼働時間に関する問題が示すように、大規模な運用改善を行う必要があります。フェイルオーバーによる冗長性が本来機能するはずだったのに、そうならなかったのです」
マスクのこうした発言は、1カ月前トランプ大統領の顧問および「政府効率化省」のトップとして割く時間を大幅に減らすと表明して以来のものだ。マスクは、トランプ政権への関与が強まりつつあることに対する批判を受けてこの約束をしたが、電気自動車メーカーであるテスラが先月2021年以来最悪の四半期利益を報告したため、同社株主の懸念も強まっていた。
米国時間5月24日の障害は、今週Xで発生した少なくとも2回目のサービス停止になる。プラットフォームは米国時間5月22日にも不具合を起こし、約6000人のユーザーがウェブ版およびアプリ版Xでの問題を報告した。
Xのエンジニアリングチームはその際、パフォーマンスの問題を把握しておりデータセンター障害が発生していると述べた。同日、Wiredがオレゴン州ポートランドにあるXがリース中のデータセンターで火災が起きたと報じたが、これが最近の障害と直接関係しているかは明らかではない。Xの公式アカウントは「Xは本日、一部のユーザーがプラットフォーム上でパフォーマンス面の問題を経験していることを認識しています。データセンター障害が発生しており、チームはその解決に向け積極的に対応しています」と投稿した。