Netflixの意思決定の方法は、他の企業とは一味違う。
同社は、シニアリーダーが下す意思決定の数が多いことではなく、少ないことを誇りとしている。ある情報筋によると、同社はデータと透明性が組織内に浸透することを重視しているという。透明性とは、あらゆるレベルで情報を共有し、意思決定が明確になるようにすることを指す。このプロセスは、同社のカルチャー・メモにしっかりと記されており、元チーフ・タレント・オフィサーのパティ・マッコードは、著書『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』の中で、そのプロセスを紹介している。最近、私はNetflixに連絡を取り、そのコンセプトと文化が今も過去と同じくらい浸透しているかどうかを確かめた。私が発見したことは、以下の通りだ。
コントロールよりコンテクストを重視
NetflixのCulture Deck(カルチャー・デック)や、それに続く数々の文章によれば、同社のリーダーシップは、「コントロールではなく、コンテクスト(文脈)」を重視し、透明性とアクセシビリティを通してチームに力を与えている。リーダーが「なぜ」を提供し、チームが「どのように」を決定することを期待しているのだ。Talent Management Instituteによれば、この考え方は透明性と信頼の上に成り立っており、チームは「高度に方向性が整いながらも、連結度が低い」というアプローチで活動できるという。
マッコードは、従業員に力を与えることこそが、このメッセージの背景にある使命だと語っている。同社のコア・バリューを概説した、現在では有名な127枚のスライドでは、「自由」は「責任」と組み合わされており、それによって社員は戦略的な指針を現実の成果に結びつけられると説明している。