時計

2025.05.26 17:15

躍進する時計ブランド“パルミジャーニ・フルリエ”が切り開くプライベート・ラグジュアリーという価値

さりげなく、これ見よがしではないが、引き寄せられる時計がある。パルミジャーニ・フルリエのCEOが、愛好家から注目される理由を語った。


感度の高い時計愛好家から熱い視線を集めている時計ブランド「パルミジャーニ・フルリエ」。そのルーツはすご腕の時計修復師であり、“神の手をもつ時計師”と称されていたミシェル・パルミジャーニの工房にあったため、1996年のブランド発足当時から話題性は高かった。

しかし現在の人気は、2021年にグイド・テレーニがCEOに着任したことがきっかけであるのは間違いない。彼は国際的食品メーカーを経て、2000年から時計業界でのキャリアをスタート。2010年にラグジュアリーメゾンの時計部門のプレジデントとして辣腕(らつわん)をふるった。その時代に確立した、美しいデザインと高度な時計技術を融合させるスキームこそが、現在のパルミジャーニ・フルリエの躍進を支える中核となっている。

「私が2021年にパルミジャーニ・フルリエのCEOとなり、新しい戦略をスタートさせたとき、いち早くその価値を理解してくれたのが、日本の時計愛好家でした」とグイド・テレーニは語る。

あえて言うなら、パルミジャーニ・フルリエは、かなり“わかりにくい時計”だ。外観はきわめてシンプルで、スタイルは控えめ。しかしディテールや機構はとても複雑で、驚くほどの手間と時間をかけてつくられていることがよくわかる。その真価は、肉眼では見えない。キズミ(ルーペ)を通じて対峙したときに、その美しい世界に気が付き、ぐっと引き込まれてしまうのだ。

「控えめでこれ見よがしではない。しかし洗練していてプレステージ性もある。ラグジュアリーであることに対して思慮深く考える人たちに支持されており、さらに機構や素材に対するイノベーションが、そういった個性を強調しています」

トリック パーペチュアルカレンダー

昨年センセーショナルな再デビューを果たした「トリック」から、ハイ・コンプリケーションモデルが誕生。表示を集約させるだけでなく、使用する色数も極力少なくすることですっきり見せ、実用性を高めている。マットグレイン仕上げの柔らかなダイヤルの色は、自然からインスピレーションを得た“ゴールデンアワー”で、ライトグレーのストラップが美しく調和する。手巻き、18KRGケース、ケース径40.6㎜。世界限定50本。今秋発売予定。¥13,970,000
昨年センセーショナルな再デビューを果たした「トリック」から、ハイ・コンプリケーションモデルが誕生。表示を集約させるだけでなく、使用する色数も極力少なくすることですっきり見せ、実用性を高めている。マットグレイン仕上げの柔らかなダイヤルの色は、自然からインスピレーションを得た“ゴールデンアワー”で、ライトグレーのストラップが美しく調和する。手巻き、18KRGケース、ケース径40.6㎜。世界限定50本。今秋発売予定。¥13970000<パルミジャーニ・フルリエ tel:03-5413-5745>
次ページ > 自分のために存在する"プライベート・ラグジュアリー"

direction by Akira Shimada | text by Tetsuo Shinoda

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事