
青山財産ネットワークス
事業は好調。でも"自分の財産"は守れていますか?
ミドル世代の経営者のための財産戦略
事業は好調。でも"自分の財産"は守れていますか?
ミドル世代の経営者のための財産戦略
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30〜50代のミドル世代の経営者は、事業の成長に集中するあまり、自身や会社の財産戦略について十分な対策を講じていないケースが多い。事業承継もまた然りだ。そこで今回はミドル世代の経営者が知っておくべき財産の貯め方・運用の仕方、さらには相続対策のセオリーについて、長年富裕層向けにコンサルティングサービスを提供してきた青山財産ネットワークスと、2024年の末に同社と業務提携・経営統合に至った相続のプロ集団・チェスターに聞いた。
超高齢化社会に突入した日本。団塊の世代がおよそ80歳となり、今年2025年は「大相続時代」元年とも囁かれている。相続が間近に迫っている経営者にとっては、それはもう喫緊の課題だ。一方、自身が立ち上げた事業が軌道に乗り、事業成長に邁進している30〜50代のミドル世代の経営者もまた、そうした問題に対して目を向ける必要があると、富裕層向け財産コンサルティングの豊富な実績を持つ青山財産ネットワークス(以下、青山財産)代表取締役社長 蓮見正純(以下、蓮見)は提言する。「備えあれば憂いなし」。つまり、日頃からの全体を俯瞰した財産戦略こそが、さまざまなリスクを回避する最善の策となるというのが、蓮見の主張だ。
また、青山財産は24年の末に、相続のプロ集団・チェスターグループと業務提携・経営統合を果たした。このタッグにより、財産に関する従来のサービス(管理・運用・承継等)のなかでも特に「相続」に関するワンストップサービスが強化されたという。提携・統合の理由とともに、ミドル世代の経営者が今なすべき財産戦略について聞いてみた。
「団塊の世代の経営者が80代にさしかかり、事業承継・財産移転が始まっています。現状はまだ団塊の世代のもとに大きな財産があるわけですが、その受け手となる30~50代の間で、承継についてプランを立てていく必要があるという意識が盛り上がっていることは確かです。
実際に私たちのもとには、事業承継を考えるようになった、2・3代目となる事業承継者の方からの相談が数多く舞い込んでいます。皆さん、今ある財産をどう守っていくか、不安を抱えられているのです。そうした承継側の方たちとともに青山財産がしっかりとプランを練り、現経営者である親御さんに承継に向けた財産計画を見せてご安心いただくといったケースが増えています」(蓮見)
現代は、もはや親世代の常識が通用しない世の中になっている。その背景には、誰も経済成長を予見できない先行き不透明な世相がある。ときには「攻める」ことも大切だが、「財産を守っていく」「今の生活を維持し続ける」という意識が経営者の間で強くなっていると蓮見は感じているようだ。そのためにきちんとした財産防衛と資産運用、経営者一族のキャッシュフローの最大化のためのプランを提供するのが、青山財産の仕事だ。
一方、16年前に相続のプロフェッショナル集団としてスタートしたチェスターのもとにも、近年、生前の相続に対する相談が増えているという。そうしたニーズから同社は「生前対策コンサルティング」事業を開始したが、生前対策のソリューションの提示には苦労したと、チェスター 代表社員・荒巻善宏(以下、荒巻)は語る。
「富裕層の財産の承継・運用・管理は高齢化や少子化など社会構造の変化に伴い非常に複雑化しています。特化したエキスパートの存在が欠かせません。にもかかわらず、そうした知見をもった優秀な人材は非常に少ないというのが現状です」
では具体的にミドル世代の経営者にとっての、早めの財産戦略とはどのようなことなのだろうか。
30~50代のオーナー経営者に必要とされる実際の相続時に向けた準備・心構えについて、蓮見が整理してくれた。
「オーナー経営者は、「個人として」「企業経営者として」「株主として」の3つの立場で財産を管理することが必要です。
オーナー経営者はこの3つの立場からトータルで考え、そのなかでどのように財産を貯めて、運用していくかを決めていかなくてはなりません。
企業経営が傾き、いざというときに資金を捻出するのはオーナー経営者です。そのために個人としても資産を築いておかないと事業が立ち行かなくなってしまう。また、なんらかの事情で第三者から株式の買い取りをしなければならない場合、オーナーが自分自身でお金を出して買わなければならないこともあります。経営者として「最後の資金の出し手」としての自覚は常にもっていなければなりません。
経営者が受け取れるのは、給与か配当。しかし個人で配当金を受け取れば、高い税金がかかる。そんなときに役立つのが「資産管理会社」の存在です。生活資金は給与でまかない、配当はそれ以外の目的のために運用し、貯蓄とする。そうした準備が経営者には必要です。相続対策のためにお金を貯めておくというのは財産運用のほんの一部分にすぎません」
さらに蓮見は運用についての考え方にも言及する。
「運用はギャンブルではありません。経営者の財産は遊ぶためのお金ではなく、必要な資金ですので、リスクを抑えつつもある程度リターンが得られるものを経営者は嗜好するわけです。
グローバルのポートフォリオの状況を見ればわかることですが、全世界で運用されている資産の約85%が株式と債券で占められているように、全世界を対象とした株式と債券での運用が王道だと考えています。不動産、金、未上場会社株式への投資は、オルタナティブ投資といわれ、株式と債券での運用を補完する役割を有しています。したがって、これらも組み入れることによって、より目的に沿った運用が実現できるのです。なかには、仮想通貨に投資するという方もいらっしゃいますが、これは「投資」ではなく「投機」に分類されるものですので、注意が必要です。短期の上げ下げで一喜一憂するものではなく、10~20年かけてパフォーマンスをきちんと上げられる投資対象を選ぶことを心がけるべきでしょう。
財産管理において大切なのは全体を俯瞰して、どのような目的で財産を運用し、財産を貯めていくかです。ミドル世代にはそうした視点が抜けていたり、『周囲が良いと言っているから自分も買う』といった買い方になっていたりすることが多い印象があります」
青山財産のような総合財産コンサルティングは、言うなれば、財産におけるメンターのようなものだと蓮見は説明する。
「健康管理においていつも自分の身体を観てくれる主治医が必要なように、財産においてもメンターが必要になると感じています。経営者の方は日頃、経営に集中されているため、財産の運用や相続・管理に関する、全体最適なプランを描くことは極めて難しいのではないかと思います。また、早めに相談に来ていただくほうが対策は取りやすいものです。ご相談に来られて『あと10年早く相談に来ていれば、こんなに税金を払わなくて良かったのに』と悔やむ方はたくさんおられます」
財産運用・資産形成はギャンブルではないという話に深くうなずいたのが、チェスターの荒巻だ。
「同世代の経営者との会合によく顔を出すのですが、そうした場では一見富裕層だけが知っている特別な資産運用の手法だと思える情報も入ってきます。『海外の金融機関で資産運用をしたら儲かった』『中古ビルを一棟買い取って不動産経営するのがいいらしい』などなど。ただそうした断片的な情報のみで手を出すと、視野が狭くなってしまい、部分的な対応になってしまうことで思わぬ損失を被ることもあります。
きちんとゴールを定めずに、俯瞰した視点をもたずにやみくもにお金を投資してしまう。そんな経営者も少なくありません。そもそも自身の資産を全体最適化する相談に乗ってくれる会社があること自体知らない方が多いのではないでしょうか」
税理士法人チェスターのもうひとりの代表社員・福留正明(以下、福留)が財産コンサルタントの重要性について付け加える。
「若手経営者においては、事業が軌道に乗ってからはじめて、財産管理や相続の問題を考える場合がほとんどです。そうした人には、自社金融商品を売るために『相続対策になりますよ』とさまざまな業者からの提案があるため、本来の相続・財産コンサルティングが専門でない会社に相談してしまうことも多いようです」
もちろん、相続・財産コンサルティングの専門であれば誰でもいいわけではない。経営者個人の趣味嗜好や考え方にしっかりとコミットしたエキスパートでなければ、経営者が納得できる財産の管理・運用は実現できないだろう。
荒巻と福留は2人とも同世代ではあるが、金融資産のポートフォリオの組み方や生命保険で妻子にいくら残すかなど、個々に価値観の違いが多々あるという。つまり一人ひとりがバラバラの価値観をもち、行動しているのが現実なのだ。荒巻が話を続ける。
「自分自身、お金のプロであるはずなのですが、ときどき自分にコンサルタントを入れたいと感じることがあります。自分の価値観に合った客観的で適切なアドバイスをもらえたら、どれだけ助かるかと」
蓮見もそうした悩みは経営者の共通した悩みではないかと頷く。
「自分のところに舞い込むさまざまな提案が、自身の財産プランと合致していないことはわかる。だからといって自身で全体最適化されたプランを組み立てるのは難しいといったケースは優秀な経営者であってもよくあることです。そうしたときに、優先順位を整理して、全体を俯瞰したプランを構築していく私たちのような財産管理のエキスパートのサポートは役立つはずです。こうしたノウハウは長年の積み重ねから得られた独自のものと言えるでしょう」
青山財産ではそうした経営者や個人資産家等に向けて、「富裕層のための財産戦略セミナー2025」(開催日時:7月31日13:00~、場所:JPタワー ホール &カンファレンス/KITTE 4階)と題したセミナーも行う(2025年5月時点)。
相続・資産運用・承継など、具体的な情報がなかなか得られないテーマを1日でまとめて知ることができる絶好の機会になるだろう。
24年12月に青山財産とチェスターは経営統合を果たした。なぜ2社は手を組んだのだろうか。チェスターの福留が理由を説明する。
「チェスターは相続発生後(死後)の手続きや申告に主軸を置いていたのですが、近年生前のコンサルティングの要望が増えてきたのが、直接のきっかけです。やはり生前対策については、よりノウハウをおもちの青山財産さんのお力を借りて、さらなる成長をしていきたいと考えました」
では青山財産にはどのようなメリットがあるのだろうか。蓮見が語る。
「チェスターさんは青山財産が手薄としていた相続発生後の手続き・申告に豊富なノウハウをおもちです。そして、すでに生前コンサルティングの仕事も受けておられるので、そこに青山財産のノウハウを投じることができると考えています。さらには、相続発生の前後の財産コンサルティングの潜在的なニーズを掘り起こすことで、より多くのお客様のご期待に応えられるようにもなるでしょう。
今回の統合によって、相続というスペシャルなサービスの充実が図られ、そしてそのお客様に対して、相続前後のコンサルティングを提供できるようになったことで、両者にとっての目的であるお客様に長きにわたって良いサービスを提供したいという思いの実現にまた一歩近づけたと感じています」
どちらもこの提携によって生まれるシナジーには大きな期待を抱いている。財産管理のコンサルティングから相続発生後の手続き、さらにはその後の総合財産コンサルティングに至るまで、ワンストップのサービスを質・量ともに従来以上の品質で実現できるからだ。青山財産の掲げる「100年後もあなたのベストパートナーでありたい」という想いは、さらにきめ細やかに進化していくようだ。