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2025.05.16 17:15

なぜ、25歳以下の若者たちが今、起業を志すのか? Z世代に支持される「TORYUMON」

TORYUMON最優秀賞​​に輝いたSEZO​​ 黒明慶吾​​(写真右)

TORYUMON最優秀賞​​に輝いたSEZO​​ 黒明慶吾​​(写真右)

キャリアの正解が一つではなくなった今、Z世代の若者たちは、自分の意思で未来を切り拓こうとしている。実績も資金も、つながりすらまだ乏しいかもしれない。だが、だからこそ常識に縛られず、しがらみにもとらわれず、自分の可能性をまっすぐ信じられる。

そんな25歳以下の若者たちが、いま誰よりも大胆に未来を描こうとしており、自らの想いとアイデアをぶつけ合う場がスタートアップ登竜門イベント「TORYUMON」。

2024年12月21日、東京・ベルサール渋谷ファーストで開催された「TORYUMON TOKYO 2024 IGNITE」には、全国から若き起業家たちが集結。なかでも目玉となった「U25 TORYUMONピッチ」では、工場設計プラットフォームを展開する、SEZO代表の黒明慶吾が最優秀賞を受賞した。

TORYUMONは、日本最大規模のアンダー25世代向けスタートアップイベントであり、参加者のほとんどが25歳以下に限定される​​。17年の福岡での第1回開催以来、数々の起業家を輩出し、スタートアップの世界に踏み込む「登竜門」として、その存在感を高めてきた。


全国から厳選された5人によるピッチ

当日は、外国籍の求職者と人手不足企業をつなぐマッチングプラットフォーム「Japan Career」を運営するジャパンキャリア代表取締役 吉田杏佑、スポーツ選手とファンを繋げるスマホアプリ「UPSTAR」を提供するEmer代表取締役 板本大輝​、メール内で双方向のコミュニケーションが成立する次世代型メールのノーコードツール​​を開発する渡辺郁美​​、キャラクターグッズ特化型の越境EC「推しのコレクション」を運営するミーミルライト代表取締役​​ 林ジョシュワ清哉、工場設計プラットフォームを開発するSEZO代表 黒明慶吾​​が5分間のピッチを行った。

審査員は、相川真太郎(グリーベンチャーズ代表取締役社長 )、安藤奨馬(RENATUS ROBOTICS Inc. COO)など6人の投資家や起業家が担当。各審査員の立場から、「新規性」「競争優位性」「市場性・成長性」「ビジネスモデル」「プレゼン力」の5つの観点から、審査基準に発表者たちの事業を評価した。​​

最優秀賞は、ものづくりの現場に革新をもたらす「SEZO」

最優秀賞を獲得したSEZOは、製造業における生産技術者の業務を効率化するツール提供事業を行っている。ツールの特徴としては、生産技術者に焦点を当て、開発者が設計した製品の図面や設計書をもとに、製品を工場で量産するために必要な生産準備​​の業務を自動化するものだ。生産準備には、品質、コスト、 生産スピード、生産量を決めるなど、重要な業務が多く含まれているという。

代表の黒明は、製造DXのスタートアップにて1年間の営業経験を積んだのち、名古屋に拠点を移した。製造業の現場で働く自身の経験から、生産技術者が複数の課題を抱えるこの領域にこそ変革が必要だと訴える。

SEZOの競合優位性は、生産技術者に対しても、かつメーカーや商社に対しても価値を提供するビジネスモデルにある。黒明は、生産技術者の業務効率化を進め、かつ機械メーカーや商社の営業、マーケティングの支援も行うことができるプロダクトだと説明する。

プレゼンでは「設備投資額は、工場の自動化、省人化を背景に年々成長しており、今後も伸びる予定です。 この生産技術者の課題を解決し、必ずモノづくり大国日本を再び蘇らせます」と今後へ向けた思いを語った。

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文=石川航大

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